
HIV予防薬PrEP(プレップ)のツルバダを台湾の病院で購入してみました
最近ゲイの間で話題のHIV予防法PrEP(プレップ)。HIV予防のためツルバダという薬を飲んでいるとHIVの感染を90%以上の高い確率で防いでくれるというHIVの予防方法です。ここ1年くらいでよく話題に出るようになり、日本でも少しずつ知られるようになってきていますよね。
今回は台湾でそのPrEPを購入する機会があったので、試しに購入してみました。
PrEP(プレップ)購入までの経緯
今回は台湾人の友人がエイズ検査に行くというので興味本位で一緒について行ったところ、急きょ私も一緒に検査を受けれることになり、その過程でお医者さんからPrEPが購入できると聞いたわけです。台湾ではPrEPの使用が認められているため、このようにHIV検査のついでに一般の病院でPrEPを購入することができます。
PrEPとは

台湾で購入したPrEPのツルバダ
PrEP(プレップ)とは「Pre-exposure prophylaxis(曝露前予防内服)」の略で、ツルバダ(Truvada)というHIV治療にも使われている錠剤の薬を飲んでHIVを予防する方法で、お医者さんの説明によるとPrEPの使用方法は2通り。
1つ目は1日1錠を毎日続けて飲む方法。
2つ目は必要な時に飲むオンデマンドPrEPと呼ばれている方法。セックスの24時間~2時間前までに2錠、その24時間後に1錠、さらに24時間後に1錠、合計4錠を飲む方法です。
私はセックスの度に服用するオンデマンドPrEPを選びました。
PrEP購入までの流れ
PrEPを始めるにはHIVに感染していないことが大前提なので、購入する前にHIV検査が必須になります。PrEP購入までの大まかな流れとしては下記のとおりです。
HIV検査→結果確認→PrEP購入の予約→PrEPの使用説明を受ける→処方箋をもらう→薬局でPrEPを購入
HIV検査

赤レンガ造りの台大医院 旧館 (画像出典ntu.edu.tw/)
私たちは台北の国立台湾大学付属病院へ行きました。通称は台大医院(タイダァ イーユエン)。二二八和平公園と同じ「台大醫院駅」の2番出口を出るとすぐ前に台湾大学病院・旧館があり、今回はここへ入ります。この旧館は日本統治時代に建てられた赤レンガ造りの見事な建物で、今でも一般外来で使われており、普通に中へ入ることができます。
指定された検査室まで行き、まずは無記名のアンケートを記入します。質問内容は日本と似ていて「性交渉の相手は異性・同性?」「最後の性交渉はいつですか?」「コンドームなしのセックスをしましたか?」などです。アンケートの後はPrEPの簡単な説明を受け、そのあと採血。2日後の指定された時間内に電話をかけるように言われ、そこでHIV検査の結果を口頭で教えてくれるというものでした。電話番号を確認してその日は終了です。
私は急きょHIV検査を受けさせてもらえることになりましたが、通常はホームページから検査予約し病院へ行きます。
電話で結果確認
指定された時間内に電話し、個別の番号を伝えると前回と同じ担当医師が結果を口頭で教えてくれます。結果は陰性だったのでここで「PrEPを購入します」と伝え次回の予約を取りました。
PrEPの使用説明を受ける
予約した日時に再度台湾大学付属病院の前回と同じ場所へ行き、PrEPの使い方を詳しく説明されます。オンデマンドPrEPでも3か月に一度程度の定期的な検査は必要と言われたので、3か月後にまたここへ行く予定です。
その後、医師と面談をして疑問点や不安なことがあれば質問し、医師のサイン付きの処方箋を受け取ります。
そして最後に採血と採尿。これは次回の健診までに詳しい検査をしてくれ、結果を教えてくれると言ってました。
薬局でPrEPを購入

ツルバダは中国語で「舒發泰」
台湾大学病院の前にある薬局で処方箋を提出し、ツルバダを購入し終了です。クレジットカードも使えました。
中国語でツルバダは舒發泰と書くんですね。
気になるPrEPの費用 ツルバダの値段

ツルバダのボトル
PrEPを日本で購入する場合は一か月分で10万円ほどかかるとか。高すぎであまり現実的ではないですよね。
その気になる台湾でのPrEP(プレップ)の費用ですが、ツルバダ1錠が420台湾元、日本円で1,550円くらい(1台湾元3.7円で計算)でした。30錠入り1ボトル(一か月分)だと12,000台湾元と言っていました。
私はオンデマンドPrEPなので、必要な回数分だけ購入できると言われたのでとりあえず4回分16錠購入しました。費用は6,720台湾元(24,800円)です。オンデマンドPrEP1回で合計4錠飲むため、1回分で6,200円ほどかかる計算になります。1回のセックスで6,200円、安くはないです。
ちなみにここまでの薬代以外の検査等はすべて無料でした。
PrEPのジェネリックはどうなのか医師に聞いてみました
インターネット上ではPrEPのジェネリック薬品も数種類出回っていて値段も安いので、これらのジェネリックは実際どうなのか医師との面談の際に聞いてみました。
その医師が言うには
ジェネリックは確かに安いけど、ツルバダと違い効果が実証されていないので、なんともいえないということでした。
またツルバダの価格は近いうちにもっと安くなるだろうとも言ってました。
台湾は日本で購入するより安いとはいえ毎日飲み続けると一か月4万4千円ほど。まだまだ高いので、もう少し購入しやすい金額になるといいですね。
以上、台湾でのPrEP(プレップ)購入体験レポートでした。
国立台湾大学付属病院
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